給与計算の注意点
1,総支給額の計算
総支給額は、基本給、手当、欠勤控除、交通費などで成り立っています。それぞれの金額が正しく計算されているか確認していく必要があります。時間外労働や深夜労働について、正しく割増賃金が計算されてますでしょうか。最低賃金が守られているかの確認もしましょう。月給制であったとしても、労働時間で割った1時間当たりの金額が最低賃金より低くなっていないでしょうか。毎年秋に最低賃金額が改訂されますので、年に一度は見直しが必要です。
2,社会保険料の控除
社会保険料の控除
社会保険については、決定された標準報酬月額に基づいて、控除額を計算します。その月の給与をベースに社会保険を算定するミスが多くあります。原則的には、4月~6月払いの給与をもとに算定した標準報酬月額をベースに1年間計算しますので、毎月変動することはありません。給与が大幅に変動(2等級以上)した場合には、月額変更届を提出して、その額に基づいて保険料を計算します。
雇用保険料の控除
社会保険料と異なり、実際のその月の総支給額をもとに雇用保険料を計算します。源泉所得税と異なり、交通費加算後の総支給額をもとに計算します。労災保険料は全額事業主負担となりますので、労災保険料の天引きはありません。
3,源泉所得税の控除
扶養控除等申告書に基づいて、扶養の人数を確認します。年少扶養親族は、扶養の人数には含まれませんので、注意が必要です。また、扶養控除等申告書の提出がない場合には、乙欄にて源泉徴収を行う必要があります。源泉所得税の計算上は、交通費を加算する前の総支給額が課税対象額となる点も注意が必要です。また、日雇いの場合には、日額表を用いて源泉所得税の計算を行います。
4,住民税の控除
住民税は、前年の所得に基づいた確定額を6月から翌年5月まで徴収します。「特別徴収税額通知書」に記載されている金額を控除します。最初の6月に端数がついている場合がありますので、注意が必要です。7月から翌年5月までは一定額となります。但し、確定申告等により住民税額に変更があった場合には、市区町村から再度特別徴収税額通知書が送付されます。納付書は送付されませんので、当初送られてきた納付書を手書きで修正することになります。住民税の納付は翌月10日が原則ですので、納付漏れのないように気をつけて下さい(住民税の納期の特例の承認を受けている場合には、年二回の納付となります)退職者については、「給与支払報告にかかる給与所得者異動届出書」の提出が必要になります
5,手取額の振込
従業員の指定する口座に振り込む場合には、手数料を控除せず、全額を支払う必要があります。また、本人の口座に振り込む必要があり、親兄弟の口座に振り込むことは認められません。
6,有給休暇の管理
有給休暇残日数についても、給与計算と同時に正しく把握しておきましょう。有給休暇は要件を満たした場合には、入社から半年後に10日発生します。労働日数が少ないパートさんは日数が減りますが、労使間で10日以下の日数を定めてはいけません。
(2021年9月1日)
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