税理士業務
インボイス制度について
インボイス制度の概略についてまとめましたので、簡単にご紹介します。
(以下「貴社」とありますが、個人事業主も同様ですので、個人事業主の方は「貴殿」と読み替えてください。)
〇令和5年10月制度スタート
〇貴社が発行する請求書等に登録番号を記載しないと、相手側で消費税の控除ができなくなります。
〇インボイス制度の登録をする場合には、令和5年3月までに申請書の提出が必須となります。
〇免税事業者は、インボイスを発行できません。インボイスを発行したい場合には、令和5年10月から消費税の課税事業者にならないといけなくなります。
次に、支払い側・受け取った請求書・領収書について簡単にご説明いたします。
〇貴社が原則課税の場合には、受け取った請求書等がインボイス(発行した相手側の登録番号等記載)がなければ、消費税の控除ができなくなります。
〇外注先、仕入先がインボイス発行事業者になるのか確認し、ならない場合には、取引価格の見直しを検討する必要があります。
注意点としましては、一方的な値下げ要求、取引停止は下請法、独占禁止法違反となる可能性ありますので、丁寧な説明を外注先等に行う必要があります。
〇インボイスではない場合には、消費税の控除ができませんが、令和8年9月までは80%、令和11年9月までは50%の控除を認める特例があります。
〇貴社が免税事業者や簡易課税の場合には、今まで通りです。(仕入先・外注先がインボイス発行事業者であるかどうかは消費税の計算に影響をしません)
今回のまとめ
〇まず、貴社がインボイス制度の登録をするか否かの検討が必要になります。(令和5年3月までに)
貴社が、事業者相手の業務でしたら登録が必要になるケースが多いかと思われます。登録をしなかった場合には、値下げ交渉されるリスク等を考えなければいけません。一方で、飲食店、小売店、理美容業等で請求書・領収書等を発行することがほぼない場合には、インボイスの登録申請はいったん見送り、制度が始まってから、検討する形でもよろしいかと思われます。ケースバイケースですので、貴社の状況を専門家に説明して、意見を求めましょう。
(2022年7月3日)
事業復活支援金について【申請期限延長】
事業復活支援金につきまして、ご案内いたします。
新型コロナウイルスの影響を受けて、2021年11月~2022年3月の売上が
2018年以降3年間の同月売上に比較して30%以上減少している場合に、
個人事業主で30万円~50万円
法人で60万円~250万円
の給付が受けられる制度です。
詳細につきましては、下記のPDFをご参照ください。
https://jigyou-fukkatsu.go.jp/assets/files/f_leaflet.pdf
PDF2ページ目にございます、「登録確認機関の事前確認」につきましては、
当事務所の関与先様につきましては、当事務所にて確認が可能です。
申請期限は、5月31日(火)までとなっておりますので、要件に該当する方は、お早めに申請をしましょう。
また、登録確認機関による事前確認の実施は5月26日(木)までとなっておりますので、こちらも併せてご注意ください。
5月20日に申請期限が延長されまして、
・アカウント発行・・5月31日まで
・登録確認機関による事前確認・・6月14日まで
・申請期限・・6月17日まで
に延長されました。アカウント発行がまだの方はお早めに発行を行いましょう。
(2022年5月20日)
個人確定申告新規ご依頼の件
確定申告の新規のご依頼が増えてまいりました。
現在、新規のご依頼につきまして、お引き受けさせていただいておりますので、ご依頼をご検討中の方はお早めにご連絡いただくようお願いいたします。
しかしながら、限られた事務所のメンバーで処理を進めていくにあたり、2月16日(水)以降締切りをさせていただくことがございますので、予めご了承ください。
何卒、ご理解のほど、よろしくお願い致します。
(2022年2月3日)
贈与税について
個人が個人から財産をもらった場合には、贈与税の課税対象になります。「贈与」税とありますが、贈与した側(贈与者)ではなく、もらった側(受贈者)が贈与税を支払うことになります。そこで、贈与税のポイントについて、箇条書きでまとめていきます。
1,110万円控除
原則的な贈与は、暦年課税と呼び、暦年課税には110万円控除があります。1年間に受けた贈与について、基礎控除110万円以下である場合には、贈与税はかかりません。基礎控除の適用はもらったひと(受贈者)ごとになりますので、Aさんと、Bさんからそれぞれ贈与を受けた場合には、合算した額により判定します。110万円を超えた場合には、贈与税がかかりますが、【20歳以上の受贈者が、父母又は祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合】と、その他で税率が変わってきます。
また、毎年一定額の贈与を行う連年贈与については、「定期金に関する権利(例えば、1000万円を10年にわたって贈与するという約束)」とみられないように、その都度贈与契約書を作成するなどの対策が必要です。
2,配偶者からの贈与の特例
婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用財産または居住用不動産の購入資金の贈与があった場合には、贈与税の申告をすることで、110万円控除のほかに、2000万円の配偶者控除が受けられます。この配偶者控除は、同じ配偶者からは一度しか受けられません。贈与を受けた財産が国内の居住用の土地、家屋であること、贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住の用に供し、その後も引き続き居住する見込みであるという要件を満たさないといけません。また、贈与により土地や家屋を取得した際には、不動産取得税(地方税)がかかります。
3,贈与税の非課税
祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
30未満の孫などが、教育資金に充てるため、金融機関等との教育資金管理契約に基づき、祖父母などから贈与を受けた場合には、1,500万円までが非課税となります。ただし、孫などの信託受益権等を取得した日の属する年分の前年分の所得税の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この非課税制度の適用は受けられません。
父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
20歳以上50歳未満の子などが、結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との結婚・子育て新規管理契約に基づき、父母などから贈与を受けた場合には、1,000万円までが非課税となります。ただし、子などの信託受益権等を取得した日の属する年分の前年分の所得税の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この非課税制度の適用は受けられません。
4,相続時精算課税制度
贈与を受けたときに、特別控除額及び一定の税率で贈与税を計算して、贈与者が亡くなったときに相続財産として取込み、相続時に精算する制度です。対象者は、「贈与者は60歳以上の父母、祖父母など」「受贈者は20歳以上でかつ、贈与者の直系卑属である推定相続人及び孫」であること。相続時精算課税制度を選択するかどうかは「贈与者」ごとに選択できますが、一度相続時精算課税制度を選択した場合には、その贈与者からの贈与はすべて相続時精算課税制度を適用することになり、暦年課税には戻れません。贈与者ごとに贈与を受けた金額から2500万円(前年以前にこの特別控除を適用した金額がある場合には、その金額を控除した金額)を控除した残額に20%の税率を乗じた金額が贈与税となります。また、贈与税申告期限内に、相続時精算課税選択届出書を贈与税の申告書に添付して税務署に提出することが要件となります。相続時精算課税制度を適用した場合には、110万円控除は受けられませんのでご注意ください。
5,住宅取得の際の贈与税の特例
父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等のための金銭の贈与を受けた場合において、一定の要件を満たすときは、一定の控除を受けることができます。
(2021年10月9日)
相続税計算のポイント
今日は、相続税計算のポイントについてまとめていきます。計算の際に見落としているポイントがないかチェックしてみてください。
1,基礎控除
平成27年1月より、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に変更になっています。正味の遺産額が基礎控除額以下の場合には、相続税はかかりません。
例:法定相続人が、妻と子供3人である場合には、3,000万円+600万円×4人となり、5400万円が基礎控除額となります。
2,みなし相続財産と保険金・死亡退職金の非課税限度額
生命保険金、死亡保険金についても相続税の対象となりますが、それぞれについて、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。
生命保険を活用することにより、保険金の非課税枠を使うことができますので、まだ活用していない場合には検討してみてはいかがでしょうか。節税になることがあります。
3,小規模宅地等の特例
被相続人(亡くなった方)の居住の用に供された宅地がある場合には、330㎡までの地積に対して、8割の減額があることがあります。配偶者が取得した場合には、要件はありません。配偶者以外の同居していた親族が相続した場合には、相続開始時から相続税の申告期限まで、その場所に住み、所有し続ける必要があります。同居していなかった親族が取得した場合にも特例がありますが、割愛させていただきます。この特例を適用して結果として、相続税がかからなくなることがありますが、この制度は「申告が要件」ですので、相続税の申告を忘れないようにしてください。
4,配偶者の税額軽減
配偶者が取得した遺産額に対する税額については、法定相続分または1億6000万円までのいずれか「多い」金額に対応する額までは、税額控除が認められます。こちらも、上記の「小規模宅地等の特例」と同様に「申告が要件」となっておりますので、この特例を受けて税額がゼロとなった場合でも、相続税の申告が必要となりますので、お気を付けください。
5,名義預金
被相続人(亡くなった方)名義の預金だけでなく、妻、子、孫名義などの口座も、実質的には被相続人のものであると考えられる場合には、被相続人の遺産として、相続税の対象になることがあります。
6,債務控除
亡くなった時点おいて、債務がある場合には、遺産から控除できます。借金、税金、葬式費用などが該当します。
7,非課税財産
墓地、仏具など日常礼拝のための財産は相続税の対象にはなりません。ただし、純金製など資産価値の高いものは相続財産となりますので、ご注意ください。また、相続発生後、相続税の申告期限(死亡日から10か月後)までに、国等に寄付をした場合にも非課税となります。
8,生前贈与加算
被相続人がなくなった日から過去3年以内に贈与した財産は、遺産の額に含める必要があります。亡くなる直前に、贈与することで相続税を回避することを防止するために設けられている制度です。その贈与について、贈与税を支払っている場合には、贈与税額控除の適用があり、相続税で清算するというシステムになっています。相続税と贈与税が2重で課税されることはありません。
9,相続時精算課税制度適用財産
相続時精算課税を適用して、贈与した資産がある場合には、過去3年以内にかかわらず、遺産の額に含める必要があります。
10,障碍者控除、未成年者控除
相続人(相続を取得した人)が障碍者や未成年者である場合には、一定の控除が受けられます。
11,相次相続控除
過去10年以内に相続した財産について、再度相続の対象となった場合には、一定の控除が受けられます。
12,現金
もちろんですが、現金も相続財産となります。相続直前に引き出した現金の計上漏れがないか確認が必要です。定期的に生活費以上の過大な預金の引き出しがある場合には、相続税の税務調査の際に指摘される可能性が高くなります。相続人の口座のチェックもされる可能性があります。
13,株式、仮想通貨取引
被相続人が投資を行っていた場合には、証券会社の口座も確認する必要があります。また、仮想通貨取引を行っていた場合にも、口座を確認し、相続財産がないか確認してください。
14,海外預金、海外不動産
日本に住所があれば(一定の場合には国内に住所がなくても)、国外の預金、国外の不動産も相続税の対象となります。生前の取引記録、契約書等を確認しましょう。国外においても、相続税に相当する税が課された場合には、「外国税額控除」の適用が受けられます。
(2021年10月2日)
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(2021年10月2日)